大晦日の定番番組『笑ってはいけない』が休止されることが2021年9月20日に発表されました。
『笑ってはいけない』は2006年から15年間にわたって放送され、2010年以降11年連続で民間放送の正月番組の中では視聴率1位をキープしてきました。
ここまでの人気を誇る番組が、なぜ突然休止になってしまったのでしょうか?
その理由を探ってみたところ、衝撃の理由が明らかになりました。
この記事では、なぜ大晦日の大人気番組『笑ってはいけない』が休止されることになったのか、理由をまとめています。
ガキ使『笑ってはいけない』の休止理由➀ BPOのせいだった?
紅白歌合戦の裏番組として、民放の最高視聴率を11年間連続でマークしていた『笑ってはいけない』が、なぜ休止されることになったのでしょうか?
調べてみると、いくつかの理由が浮上してきました。
『笑ってはいけない』を休止させたBPOの審議とは?
『笑ってはいけない』が休止された理由として最も濃厚だとされているのが、BPO審議で引っかかったからというものです。
ここで、BPO審議について簡単に説明します。
BPOとは「放送倫理・番組向上機構」の略称です。
NHKと日本民間放送連盟が2003年に統合してできました。
BPO審議とは、出演者に痛みを伴う行為を仕掛けて、それを別の出演者が笑うなど、「苦痛」を笑いのネタにする番組を審議するというものです。
『笑ってはいけない』には、視聴者らから「不快だ」「いじめを助長する」などの意見が継続的に寄せられていました。
そのため、BPOの青少年委員会が2021年8月25日に審議入りすることを公表していました。
『笑ってはいけない』は8年前からBPOに目をつけられてた?
しかし、審議入りするはるか前の2014年から、委員会は『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』に「委員会の考え」と題した文書を送っていました。
文書の内容を要約し、まとめてみました。
- 一部のシーンに対して、表現の過激さや卑わいであることへの不快感や嫌悪感、また、子どもが真似をするのではないかと危惧する視聴者意見がBPOに多数寄せられた。
- 日本テレビは問題のシーンについて、「過去にも放送したことがある」と回答した。
- 日本テレビは「不快だった人もいるかもしれないが」「笑ってもらえると腹をくくって制作した」との説明をした。
これらの事情を踏まえて、BPO青少年委員会は日本テレビに対して二つの論点を示しました。
それは「表現上の配慮」と「放送基準と放送の公共性」です。
- バラエティー番組は視聴者の喜怒哀楽や感受性を直接刺激し、日常生活の価値志向に影響を与える。
- 過去に放送したから今回もよいという考え方は放送の一般原則にならない。
- 視聴者が下品さや卑わいさ、人間を否定する扱いに違和感を抱いており、バラエティー番組のボーダーラインを超えている。
- 番組が男性目線で制作されており、女性の視聴者がどのように見るかという配慮と想像力が十分でない。
視聴者から「おもしろければなんでもいいというのは傲慢」「ネタ切れならやめればいい」といった厳しい意見も届いていたそうです。
『笑ってはいけない』の松本人志が「俺はBPO側」発言!
BPOの審議入りが決定したとき、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志さんは「世の中がBPOとダウンタウンのvs構図を作ろうとしている」と苦言を呈していました。
僕なんかは腹立つのは、『ダウンタウンの番組は大丈夫なんか?』ってネットニュースがあおるわけよ。
BPOさんはダウンタウンのことなんか何も言ってないのに、BPOとダウンタウンのvs構図を作ろうとしている世の中にちょっと腹立つのよね。年末の『笑ってはいけない』はどうなるんだって言うんやけど、むしろ俺はそれに関してはBPO側やからね。受ける側やから。
松本人志「頑張れBPO」バラエティー審議決定で「笑ってはいけない」不安視する声に言及 – サンスポ (sanspo.com)
しかし、視聴者の不安は的中してしまったようです。
『笑ってはいけない』の休止理由は他にもあった!
『笑ってはいけない』の休止理由は、BPO審議だけではありません。
他にも、複数の要因が重なって休止に追い込まれたのではないかと言われています。
『笑ってはいけない』休止理由➁ 出演者の高齢化
『笑ってはいけない』の番組では、身体を張った演出がとても多いですね。
出演者が高齢になってきて、体力的に続けることがきつくなってきたことが理由ではないかと言われています。
- 浜田雅功さん(ダウンタウン)…58歳
- 松本人志さん(ダウンタウン)…58歳
- 遠藤章造さん(ココリコ)…50歳
- 田中直樹さん(ココリコ)…50歳
- 月亭方正さん…53歳
みな50歳を過ぎ、ダウンタウンのお二人はもうすぐ60歳という年齢。
番組を見ているとそんな年には見えないくらいお元気ですが、体力を使った演出や長時間拘束されるのは大変かと思います。
『笑ってはいけない』休止理由➂ ネタのマンネリ化
『笑ってはいけない』の番組は2006年から11年間も放送され続けています。
ネタがそろそろマンネリ化してきたという意見も…
中には「惜しまれるうちに終わるのが華なのかも」と言うコメントも。
確かに、ずっと視聴者を飽きさせることなく笑いを提供していくのは難しい問題だと思います。
むしろ、15年間高視聴率を維持してきたのがすごいことですね!
『笑ってはいけない』休止の理由➃ コロナウイルスでロケできず
『笑ってはいけない』が休止されたのは、コロナの影響も多少あったのではと思われます。
昨年は、レギュラーメンバーであるココリコの遠藤章造さんが極楽とんぼ・山本圭壱のYouTube生配信に参加したことで、新型コロナに感染してしまいました。
しかし、一層の感染対策をして番組を続行しました。
山本さんの生配信でクラスターが発生したことで、吉本はガイドラインを強化。複数で撮影を行う際には事前に申請したり、スタッフが同行するなど厳しく管理しています。
特に、ダウンタウン2人の感染防止対策の徹底ぶりは、かなりのものだという。
「ご本人たちの意識が高いのはもちろん、吉本の顔であるダウンタウンの2人を感染させてはいけない……と、テレビ局が決めた感染防止ガイドライン以上に厳しい条件でスタジオ収録などを行っていますよ」(前出・芸能プロ関係者)
『絶対に笑ってはいけない』がコロナ禍の撮影開始で「感染させてはいけない」 | 週刊女性PRIME (jprime.jp)
ここまで徹底的に感染対策をして放送されましたが、経費や行動制限、世間の逆風など、相当大変だったことは想像に難くありませんね。
「日テレは今夏の『24時間テレビ』を放送するにあたって、スタッフを家族から2週間以上隔離してホテル住まいにさせるなどかなりの経費を使いました。ただ、制作会社などでは補助も受けられず、自腹で隔離生活をしたスタッフもいたようです。『笑ってはいけない』シリーズでもかなりの数のスタッフが関わって収録が行われるので、同じように厳戒態勢を敷くのか、議論を重ねているようです。最悪、ダウンタウンを始めとしたメンバーが感染なんてことになれば、番組自体がお蔵入りになりますし、上層部はかなり頭を悩ませているようです」(民放関係者)
「笑ってはいけない」石橋貴明の出演も検討!? 新型コロナとBPO“ダブルパンチ”の今年はどうなる? | 日刊サイゾー (nordot.app)
スタジオ収録となった昨年は、例年よりも面白さが半減したとの声もあったようです。
コロナ禍で暗いニュースが多い中、番組制作者の方々はなんとか笑いを届けたいと思っていらっしゃったようですが、厳しかったのかもしれません。
まとめ
日本テレビの大晦日の名物番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』の放送休止が発表されました。
休止の理由で最も有力なのはBPO審議だと言われていますが、他にも複数の要因が重なっているようです。
- BPO審議に引っかかったから
- 出演者が高齢になり、体力的に厳しくなってきたから
- ネタがマンネリ化してきたから
- コロナ禍で感染対策に費用がかかったり、風評の問題があったから
- コロナ禍のスタジオ収録で、面白さが半減したと言われるようになったから
『笑ってはいけない』は番組終了となりましたが、今年は「笑ってはいけない」のDNAを受け継ぐ、新コンセプトのお笑い特番を生放送する予定だそうです。
「笑ってはいけない」大晦日ではなく、「笑ってもいい」大晦日が迎えられることを楽しみにしましょう!