「仮面ライダーゼロワン」で亡役を演じた俳優兼モデルの中山咲月さんがトランスジェンダーであり、無性愛者(アセクシュアル)であることを告白し、9月に初のフォトエッセイ『無性愛』を発売するそうです。
2011年にファッション誌『ピチレモン』のオーディションでグランプリを受賞したことをきっかけにモデル活動を始めた中山さん。
いつから自身がトランスジェンダーで無性愛者だと気づいたのでしょうか?
メンズライクなファッションを好むようになったきっかけや結婚・恋愛観についても気になるところです。
そこで、中山さんの過去や性別について調べてみました。
中山咲月さんの性「トランスジェンダー」と「無性愛」とは?
トランスジェンダーを含むセクシュアルマイノリティとは「心の性、身体の性・表現する性が一致していない」特徴のことです。
「性的少数者」とも表現され、 LGBT (レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)以外も含まれます。
中山さんはトランスジェンダーであり、無性愛(アセクシュアル)であることを公表しています。
それぞれ、どういった特徴のことを表しているのでしょうか?
【トランスジェンダー】
トランスジェンダーとは、他者から見られる性と自認している性が異なっているセクシュアルのこと。
中山さんの場合、周囲からは女性と見られていますが、自認している性は男性ということでしょう。
身体的性と自認する性が異なる「トランスセクシュアル」でもあると言えますね。
【無性愛(アセクシュアル)】
無性愛(アセクシュアル)とは、他者に対して性的欲求・恋愛感情を抱かないセクシュアリティのこと。
無性愛(アセクシュアル)の中にも結婚願望のある人は多いそうです。
中山さんはどうなのでしょう?
そのあたりも調べてみました。
中山咲月さんの結婚観
中山さんは、2021年4月3日・4日にカルチャーメディアの「Harumari TOKYO」がプロデュースしたオンライン劇場「スーパーフラットライフ」に出演しました。
「スーパーフラットライフ」は、常識にとらわれない多様な結婚観を提示したストーリーを、LINE LIVE-VIEWINGで上演・配信するというエンターテイメント。
「親友と同性婚できるようになったら?」というテーマで、主人公のエリが結婚相談所「スーパーフラットライフ」を通じて、同性婚を望む女性、別居婚、契約結婚など従来の結婚観を覆す人々と出会い、自身の結婚観について考えるストーリーです。
中山さんが演じたのは、婚活サイト「スーパーフラットライフ」の支配人・川口アキラ。
講演に先駆けたインタビューでは、「結婚って同性同士じゃダメなんですか?」というアキラのセリフについて、「自分の伝えたいことを代弁してくれているように感じた」と話していました。
中山さんは、「結婚は恋愛から発展するものと言う固定観念を持っていたが、ここ数年は違和感を感じることが多くなってきた」のだそう。
この作品に出演したことで、「”恋愛感情のない結婚でもアリなんだ”と腑に落ちてから、自分でも結婚できるんじゃないかと思うようになりました」「結婚って壁があったんですけど、ハードルが下がった気がします」とも答えています。
中山さんは、2018年に前田希美さんのYouTubeチャンネルに登場し、質問に答える企画をされていました。
その際に「いくつで結婚したい?」という質問に対し、「しなくても良いかな~」と答えていました。
しかし、このインタビューから、現在は結婚願望があると考えても良いのではないでしょうか。
また、恋愛について「自分には愛はあるけど恋はないっていう状態」と話されていました。
日本では、2021年現在は同性婚が認められていません。
世界の主要7か国(G7)の中で同性婚が認められていないのは日本だけです。
モデル活動を通して気づいた違和感
中山さんは2011年にファッション誌『ピチレモン』のオーディションでグランプリを受賞し、モデル活動をスタートさせます。
しかし、仕事で着るかわいい服がどうしても好きになれなかったのだそう。
他のモデルの子が「この服が好き」「この服がかわいい」と話しているのを聞く傍らで、「どうして」と悩みます。
そんな中山さんがメンズ服を好きになったきっかけは、中学生時代に韓国のジェンダーレスモデル、kiteさんを知ったことでした。


最初はkiteさんのことを男性かと勘違いしたという中山さんですが、”私もこの人みたいになりたい”と憧れるようになったそうです。

オーディションに合格した頃

ピチレモンを卒業する頃
ピチレモンのオーディションに合格した直後の写真と、ピチレモンを卒業するときの写真を比べると、明らかにメンズライクなスタイルに変わっているように感じます。
kiteさんを知ったことで、少しずつ自分らしさを表現できるようになったのですね。
トランスジェンダーを自認したのは2021年に入ってから
メンズ服が好きと気づいたのは中学生でしたが、実はトランスジェンダーだと自認したのは、2021年に入ってからだといいます。
コロナ禍でいろいろな映画を観る中で、カミングアウトの難しさを題材にした『彼らが本気で編むときは、』という映画にたどり着き、胸が苦しくなったそう。
それがきっかけで「自分もトランスジェンダーかも」と気づきました。
また、自認してからは「自分がトランスジェンダーだからこんなに辛い」ということが明確にわかって、不眠症気味になりました。
このエピソードから、中山さんがこれまで自分の性に関して苦しんできたことがうかがえます。
最初は「自分は普通じゃないんだ」という落胆が大きく、事務所に伝えるまでにも時間がかかったという中山さん。
『無性愛』というフォトエッセイが刊行されるまで、様々な壁を乗り越えられたのだと感じますね。
まとめ
中山咲月さんが自身の性別に違和感を感じたきっかけ、トランスジェンダーだと分かった経緯などについて紹介しました。
沢山の壁を乗り越えた今、ようやく自分らしい生き方を見つけた中山さん。
トランスジェンダーをカミングアウトされましたが、世間からのバッシングを受ける恐れからためらったという本音も語られていました。
そんな不安な気持ちに打ち勝ってフォトエッセイの発売に踏み切られた中山さんの、性別の枠にとらわれない俳優・モデルとしての活躍を、これからも応援していきたいですね!