ジブリ作品『紅の豚』の主人公は、 「飛ばねぇ豚はただの豚だ」のセリフでおなじみのポルコです。
赤色の飛行機に乗った豚の姿が印象的ですね。
しかし、そもそもポルコはどうして豚になってしまったのでしょうか?
元は人間だったというポルコの素顔や人間に戻ることができるのかも気になりますね。
そこで、この記事では、
- ポルコの素顔は?
- ポルコが豚になった理由は?
- ポルコは人間に戻れるの?
といった素朴な疑問をサクッと解決していきます!
知ればジブリ作品を見る楽しみが倍増するはずなので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
紅の豚|ポルコの素顔は人間のマルコ!

『紅の豚』の主人公は、豚の姿をしたパイロットです。
- 本名:マルコ・パゴット
- あだ名:ポルコ・ロッソ
- 国籍:イタリア
- 経歴:第一次世界大戦で活躍した空軍のパイロット
作中では「ポルコ・ロッソ」と呼ばれていますが、これはあだ名であり、本名は「マルコ・バゴット」です。
ポルコ・ロッソはイタリア語で「赤い豚」という意味になり、まさに「紅の豚」のタイトル通りです。
豚の姿になる前は、イタリア空軍の大尉として戦争に参加していました。

若き頃の素顔はイケメンだったことが分かります。
豚になってからのポルコの立ち振る舞いも紳士的で、男前ですよね。
紅の豚|ポルコが豚になった3つの理由
イケメンでやり手のパイロットだったポルコが、どうして豚の姿になってしまったのか?
これは『紅の豚』の最大の謎でもあります。
ポルコが豚になった理由について、作中では明らかにされていません。
ただ、あらすじを見ると、ポルコが自分で自分に”魔法”をかけて豚の姿になったことが分かります。
なぜ自分で魔法をかけてまで豚の姿になったのか、作品の中のヒントをもとに考察されている3つの理由を紹介します。
- 戦争で生き残った自分への罰
- 欲望にまみれた人間の争いから離れるため
- ジーナと恋仲にならないため
それぞれ分かりやすく解説していきます。
➀戦争で生き残った自分への罰

まだ人間だったころ、ポルコは戦争でただ一人生き残り、敵も味方もなく戦闘機が高い空の向こうに運ばれていくのを見ます。
ポルコは英雄と讃えられる一方で、亡くなった仲間に対する罪悪感を感じていたのかもしれません。
作中、ポルコが生き残った自分に罪悪感を感じているのが分かる場面やセリフが度々登場します。
それは、ポルコの「(戦争で)死んだ奴は良い奴さ」という言葉にも表れています。
ポルコは生き残った自分に罰を与えるために、自分に魔法をかけたのではないでしょうか。
➁欲望にまみれた人間の争いから離れるため

もう一つの理由は、欲望にまみれた人間同士の戦争から離れるためです。
映画が公開された当時のパンフレットには、ポルコが豚になった理由として戦争と距離を取りたいという思いがあったことが書かれています。
ポルコにとって飛行機に乗ることは冒険であり、戦争のためではありませんでした。
作中、フェラーリン少佐とポルコの間でこのような会話がありました。
なあマルコ、空軍に戻れよ、今なら俺たちの力で何とかする。
冒険飛行家の時代は終わったんだ。
国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ぶしかないんだよ。
ファシストになるより豚の方がましさ。
俺は俺の稼ぎでしか飛ばねぇよ。
ポルコは国家の中で人間の欲にまみれて生きることを嫌がり、戦争のために飛行機に乗ることを拒みました。
銀行で飛行機のローンを払い終わったときも、「愛国再建をお求めになって民族に貢献されては?」と問われ、このように返しています。
そういうことはなあ、人間同士でやんな。
戦争はまさに人間の欲望から生まれた悲劇であり、ポルコがそれにうんざりしていたことがよくわかりますね。
人間の世界と距離を置くための手段が、自分が人間ではない別の姿になることだったのではないでしょうか。
➂ジーナと恋仲にならないため

美しく聡明なジーナはポルコの幼馴染で、飛行機乗りの間ではマドンナ的存在でした。
しかし、ジーナには飛行機乗りと3回結婚して3回とも死別しているという悲しい過去を抱えています。
ジーナとポルコは、かつて一緒に飛空艇クラブを結成するほどの仲でした。
しかし、飛行機乗りのポルコは自分が死んでしまったときのことを考えたのでしょう。
と言われています。
ただ、ポルコが豚の姿であろうと、ジーナはポルコのことを愛していました。
ただ、ジーナの中でもポルコを愛する気持ちを制御すべきかどうかの葛藤があったようです。
そのため、作中でポルコを愛するかの賭けをしていた場面がありましたね。
私がこの庭にいるときその人が訪ねてきたら今度こそ愛そうって賭けしてるの。
「その人」というのがポルコのことです。
また、ポルコがカーチスと対戦していたときにもポルコにこんな言葉を掛けています。
あなた、もう一人女の子を不幸にする気なの?
ポルコが死んでしまったらジーナが不幸になる、つまりジーナにとってポルコは愛する人だということです。
ポルコが豚になっても、ジーナがポルコを愛する気持ちに変わりはなかったのですね。
紅の豚|ポルコは人間に戻れるのか?
自分で書けた魔法によって豚の姿になってしまったポルコですが、人間に戻ることはできるのでしょうか?
ポルコが人間に戻ったシーンは2か所!
作中では、ポルコが人間に戻ったシーンが1か所、人間に戻ったであろうと思われるシーンが1か所存在します。
1つ目の、フィオが寝ている横で銃弾を触っているシーンは人間の姿が映されています。

もう一つの、フィオにキスされたシーンでは、人間に戻ったところが映されているわけではありません。
ただ、キスされた後にカーチスがポルコに放った言葉が引っ掛かります。
オメエ、その顔!待てよ!おいっ!
顔見せろって!
カーチスは人間に戻ったポルコの顔に驚いたのではないかと推測されています。
ポルコが人間に戻ることはない!?

ポルコはこの後、人間に戻ることはあるのでしょうか?
宮崎監督は「豚のまま最後まで生きていく方がこの男らしい」と言っています。
僕は豚のままで生きるほうが良いんじゃないかと思います。
ときどきつい本音が出て真顔(人間の顔)になったりするけれど、でも豚のまま最後まで生きていく方が、本当にこの男らしいと思う。
僕はその方が、”自分を許さない”という方が好きです。
宮崎監督はあくまで豚の姿で生きていくことにこだわりがあるようです。
さらに決定的な一言がこちらです。
僕は豚が人間に戻るなんていう映画を作りたいとは、全然思ってない。
『紅の豚』のその後については明らかにされていませんが、宮崎監督の中では、ポルコが豚のまま生きていくストーリーが出来上がっているのでしょう。
人間に戻れる、戻れないという問題ではなく、ポルコが自分に課した「豚」という姿を自分の意思で一生涯貫いていくということです。
まとめ
『紅の豚』の主人公・ポルコの豚になる前の素顔や人間に戻るのかどうかという謎についてまとめました。
- ポルコの素顔は戦争でただ一人生き残った英雄のパイロット!
- ポルコは自分で自分に魔法をかけて豚になった!
- ポルコは豚の姿のまま生きていく!
また、豚になった理由についても3つ紹介しました。
- 戦争で生き残った自分への罰
- 欲望にまみれた人間の争いから離れるため
- ジーナと恋仲にならないため
正解が明かされることはありませんが、ポルコの思いを想像しながら作品を観るのも面白いですね。
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