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ゼレンスキー大統領は無能ではなかった!支持率急上昇の理由は天才的な演説?

ウクライナのゼレンスキー大統領は、米連邦議会でリモート演説するなど、精力的に大統領としての任務を執行しています。

しかし、一向にロシアのウクライナ侵攻が止まる気配はありません。
そんなゼレンスキー大統領について、ネット上の一部では「無能」と批判されています。

ゼレンスキー大統領は本当に無能なのでしょうか?
実は、ウクライナ国内での支持率は昨年12月の%から、3倍増しの91%にまで上昇しているんです。

この記事では、

  • ゼレンスキー大統領は本当に無能なの?
  • ゼレンスキー大統領が無能ではないと言える理由は?
  • ゼレンスキー大統領の支持率が急上昇した理由は?

という疑問にお答えします。
ぜひ最後までご覧ください。

ゼレンスキー大統領は「胡散臭い」とも言われており、それに関してはこちらの記事で詳しく説明しています。

ゼレンスキー大統領が胡散臭くて怪しい5つの理由!嘘つき大統領の噂は本当? ロシアのウクライナ侵攻で注目を集めているゼレンスキー大統領。テレビでは、ロシアに屈しない姿勢を宣言する演説動画を公開して、絶賛されまし...

ゼレンスキー大統領は無能なのか?

ゼレンスキー大統領(引用元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-an)

ウクライナのゼレンスキー大統領について、「有能」と評価する人と「無能」と批判する人で意見が分かれています。

ゼレンスキー大統領を無能だという人の意見としては、

  1. ミンスク合意を破った
  2. 米連邦議会で真珠湾攻撃のことを取り上げた

など、政治の重要な局面で判断を誤ったからと言われています。

➀ミンスク合意を破った

ミンスク合意とは、2014年9月と2015年2月にウクライナ政府と国内の親露派の間で結ばれた停戦合意協定です。

⑴ミンスク合意が結ばれた経緯
  1. 2014年春:ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を併合。
  2. 親露派がウクライナ東部を占拠。
  3. 紛争が勃発。
  4. 2014年9月:停戦協定が結ばれたが破棄される。
  5. 2015年2月:ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスによる首脳会談で停戦合意。(ミンスク合意)

ミンスク合意が結ばれたのは、ゼレンスキー氏が大統領になる前です。

しかし、ミンスク合意の中身は矛盾点があるなど、必ずしも良いものとは言えませんでした。
そこで、ゼレンスキー大統領はこの合意を反故にしました。

2019年に就任したゼレンスキー大統領は、自国が不利な戦局の状況下で締結を余儀なくされたミンスク合意の修正を求めたが、ロシアはこれに応じなかったことから、昨年1月「ミンスク合意を履行しない」と宣言した。

これに対し、ロシアは「ウクライナがミンスク合意を破棄して武力解決を試みようとしている」と警戒、昨年3月からウクライナ国境沿いに軍を増派し始めたが、その後もウクライナが態度を変えなかったことから、昨年末以降再び軍事的圧力をかけていた

ウクライナ侵攻でロシア発「石油危機」の懸念 プーチンに残されたカードは1枚のみ(デイリー新潮) – Yahoo!ニュース

このことから、ロシアによるウクライナ侵攻の原因は、ゼレンスキー大統領にあったのでは?と言われるようになってしまったのです。

➁米連邦議会で真珠湾攻撃のことを取り上げた

ゼレンスキー大統領は、3月16日に米連邦議会でリモート演説を行いました。
その際に真珠湾攻撃のことを取り上げたことが話題になりました。

ゼレンスキー大統領

1941年の(日本による)真珠湾攻撃を思い出してほしい。(2001年の)米同時多発テロを思い出してほしい空からの攻撃で街が戦場になった。私たちはロシアによる空からの攻撃で毎日、毎晩、この3週間、同じことを経験している

ゼレンスキー大統領のこの演説は、日本による真珠湾攻撃をテロ同然に考えているのかと、日本で批判が殺到しました。

日本を敵に回しかねない内容であり、「ゼレンスキー大統領のアメリカ演説は失敗だった」「ゼレンスキーは無能だ」と言われるようになってしまいました。

ゼレンスキー大統領は無能ではない!

ゼレンスキー大統領は本当に無能なのでしょうか?

ゼレンスキー大統領は有能だという理由を挙げてみました。

  1. 暗殺されずに生き残っている!
  2. ゼレンスキー大統領の演説力が超優秀!
  3. ゼレンスキー大統領の支持率がスゴイ!

➀暗殺されずに生き残っている!

英紙タイムズによると、ゼレンスキー大統領は1週間に3回も暗殺を試みられ、そのいずれも阻止して生き延びています

暗殺を企てたのは、ロシアのプーチン政権に近い露民間軍事会社「ワグネル」とロシア南部にあるチェン共和国の特殊部隊です。

  • ワグネルの要員:首都キエフだけで約400人
  • 潜伏期間:6週間
  • 標的:ウクライナ政府要人24人

しかも、暗殺を阻止する中で、ウクライナとワグネルの間で死者も出ているそうです。

400人という大人数がゼレンスキー大統領を暗殺しようとしているにもかかわらず、生き延びていること自体が凄いことです。

ちなみに、ゼレンスキー大統領の妻・ゼレンスカさんの名前も暗殺者リストに載っているそうです。

ゼレンスカさんについては、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。

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➁ゼレンスキー大統領の演説が超優秀!

ゼレンスキー大統領の最も優秀なところと言えば、演説力ではないでしょうか?

ゼレンスキー大統領は、あらゆるSNSメディアを駆使し、1500万人以上のフォロワーに向けて日々メッセージを発信しています。

戦時下の街で撮影された動画からは、ゼレンスキー大統領の真剣さや国民と共に戦う覚悟が伝わり、国民からの支持を急上昇させました。

また、ゼレンスキー大統領は演説の際に使用する言葉が非常に上手いと言われています。

ゼレンスキー大統領

私は政治家ではない。私はこの(腐敗した)システムを壊そうとする普通の人間だ

ゼレンスキー大統領は元コメディアンという異例の経歴の持ち主であり、ウクライナ市民と同じ普通の人間であることを強調してきました。

演説の言葉は勿論、演説する際の服装もスーツではなくTシャツにズボンという市民同様の格好をしています。

きっと、どのような格好をすれば国民の心を掴むことができるのかまで計算されているのでしょう。

その他にも、ゼレンスキー大統領の言葉には、心に強く響くメッセージ性の高いものが多くあります。

  • 私たちはここにいる。ほかの戦士もここにいる。この国の市民もここにいる
  • 私たちは武器を下ろさない。私たちは私たちの国を守る。なぜなら、私たちの武器は真実だからだ。真実とは、これは私たちの地であり、私たちの国であり、私たちの子どもたちだ。私たちはそれを守るのだ。ウクライナに栄光あれ
  • 冷戦も、熱い戦争も、ハイブリッド戦争もいらない
  • 私たちを攻撃するとき、あなた方が目にするのは、私たちの顔だ。(逃げる)私たちの背中ではなく、私たちの顔だ
  • 誰が、最も苦しむって? 人々だ。誰がそれ(戦争)を望まないか? 人々だ。誰がそれを止められるか。人々だ。そういった人々があなた方の中にいるか。私はそう思う

(参考文献:https://toyokeizai.net/articles/-/537080?page=3)

ゼレンスキー大統領が米連邦議会で真珠湾攻撃について取り上げたことに関して、日本人からは批判の声も上がっています。

しかし、アメリカを味方につけるには、非常に効果的なスピーチでした。

ジャーナリストの江川紹子さんは、ゼレンスキー大統領の演説について「すごく優秀」と意見を述べました。

「ゼレンスキー大統領が米議会演説で真珠湾攻撃を挙げたことに反発する人がいるが、日本での演説が実現したら、米軍による各地への空襲に言及するのでは? シベリア抑留とか北方領土とかもだけど。各国の人々の心に刺さる話題やことばを盛り込み、共感を呼び、今以上の支援を引き出すための演説なのだから

民主主義国家において、主権者たる国民の心を揺さぶることが一番と考えての行動でしょうから、ゼレンスキー大統領はかなりの戦術家だと思う。彼のスピーチライターは誰なのだろう。すごく優秀」

江川紹子氏がゼレンスキー大統領の演説に私見「かなりの戦術家。スピーチライターはすごく優秀」(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース

ゼレンスキー大統領はアメリカ人の心を揺さぶる戦略として、真珠湾攻撃を取り上げたのだと思います。

実際、ゼレンスキー大統領の演説から数時間後、アメリカは8億ドル(約950億円)にも相当する武器を提供すると発表しています。

  • 携帯型地対空ミサイル「スティンガー」800基
  • 対戦車ミサイル「ジャヴェリン」基
  • AT4携行対戦車システム6000基
  • 戦術ドローンシステム100基
  • グレネードランチャー100門
  • ライフル銃5000丁
  • 機関銃400丁
  • ショットガン400兆
  • 砲弾
  • ボディアーマー(全身防護服)2万5000個
  • ヘルメット2万5000個

ゼレンスキー大統領は演説の目的を見事達成したと言えるのではないでしょうか?

アメリカの支援を言葉一つで取り付けることができたのですから、相当優秀だと言えます。

➂ゼレンスキー大統領の支持率が凄い!

演説の効果もあってか、ウクライナ国内でのゼレンスキー大統領の支持率は非常に高くなっています。

実は、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前の2月11日~18日の支持率は41%でした。

それが、ロシアのウクライナ侵攻が始まってから91%にまで急上昇したのです。

中国メディアは、ゼレンスキー大統領の支持率が上昇した理由として、SNSを駆使して国民の心を掴んだことが大きいのではないかと報じました。

支持率が急上昇した大きな理由について、ゼレンスキー大統領がSNSによる情報発信をうまく利用して国民の支持を取り付けたと分析。

ロシアによる侵攻を受けて早々に首都キエフから脱出し、国外逃亡したのではないかとの憶測が飛び交っていた2月26日、SNSにて自身がキエフにとどまっており、ロシアに対して徹底的に抗う姿勢を示す動画を公開したことで、国民に「英雄」のイメージを与えることに成功しただけでなく、西側社会の結束強化にも繋がったとの見方を示している。

ゼレンスキー大統領の支持率はなぜ下がるどころか上がったのか―中国メディア (2022年3月2日) – エキサイトニュース (excite.co.jp)

比較のために、1945年に就任したトルーマン大統領以降のアメリカ大統領の支持率を調べてみましたが、高くても80%台が最高でした。

1945年のトルーマン大統領が81.3%。
その後は低迷し、比較的人気の高かったケネディ大統領でさえ、最高で76.2%でした。

ちなみに、日本の内閣の支持率ランキングも見てみましょう。

日本の内閣の支持率ランキング
日本の内閣の支持率ランキング(引用元:https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20200921-OYT1T50061/)

国民の支持を得るのがいかに難しいかが分かりますね。

そんな中、91%の支持率をたたき出したゼレンスキー大統領は非常に優秀と言えるのではないでしょうか?

まとめ

ウクライナのゼレンスキー大統領について、無能との声が上がっていますが、実際にはどうなのかをまとめてみました。

賛否両論ありますが、ゼレンスキー大統領は3つの点で非常に優秀であると言えそうです。

  • 暗殺されずに生き残っている!
  • ゼレンスキー大統領の演説力が超優秀!
  • ゼレンスキー大統領の支持率がスゴイ!

このように有能の部分もあるゼレンスキー大統領ですが、ネット上では「胡散臭い」「嘘つき」との声が上がっているのも事実です。
「胡散臭い」と言われる理由については、こちらの記事でまとめているので、ぜひ参考にして下さい。

ゼレンスキー大統領が胡散臭くて怪しい5つの理由!嘘つき大統領の噂は本当? ロシアのウクライナ侵攻で注目を集めているゼレンスキー大統領。テレビでは、ロシアに屈しない姿勢を宣言する演説動画を公開して、絶賛されまし...
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